睡眠は心身の疲れをとるのに重要と言われます。1日の疲れを寝ることでリセットすると言うわけですが、では、眠っている時、身体はどんな状態なのでしょうか。

美肌ケアなどでよく、睡眠不足はお肌に悪い。午前0時前後にお肌はつくられるのでその時間は寝ていなくてはならないなどと言われます。また寝る子は育つという言葉もあります。これは、成長ホルモンは眠っている時（特に午前0時前後）に分泌されるからです。

成長ホルモンは新陳代謝を促すホルモンですから、その名のとおり身体の成長に必須であるだけでなく、お肌の代謝にも重要なホルモンです。他にも眠っている時間に特に分泌されるホルモンや、逆に起きている時間に多く分泌され、眠っている時間にはほとんど分泌されないホルモンもあります。

ホルモン以外でも、睡眠中は血圧が低下し、体温も低くなるなど睡眠中の体の中では、起きている時とは異なった働きをしています。

よい睡眠は1時間半の単位で寝ることと言われることがあります。これは、睡眠にはリズムがあり、常にノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しており、そのリズムの周期が1時間半と言われているからです。ノンレム睡眠は主に脳を休ませている時間で、成長ホルモンは特にこの間に多く分泌されます。眠りについて最初におとずれるのがノンレム睡眠です。そしてレム睡眠は主に体を休ませている時間で、ノンレム睡眠のあとにおとずれ、レム睡眠が浅くなり目覚めます。

この睡眠のリズムは確かに1時間半の周期で繰り返すのですが、そうはいってもやはりぴったり誰もがその周期というわけではありません。また眠りに入るまでの時間も人それぞれです。ですから、一般的に言われているよい睡眠時間を目指すのはよいと思いますが、自分が一番元気になれる睡眠時間をみつけることが大切といえます。

睡眠が不足するとまずお肌が荒れると言います。これは睡眠中に分泌される成長ホルモンが、眠る時間が少ないために充分に分泌されず、新陳代謝が低下する為に起こると考えられます。新陳代謝の低下は、お肌のターンオーバーといった表面的な問題だけでなく、臓器など内部の代謝も低下した状態のため、体の様々な働きが充分に行えないことにつながります。

また、睡眠時間が短いということは、自律神経のバランスもくずれてしまいます。自律神経というのは起きている時には交感神経が優位に働いて、活動している時の様々な外敵やストレスから身を守る為に働きます。例えば、ストレスから体を守る為、より活動を活発にするために、血糖を増やすコルチゾールというホルモンが分泌されます。そして、寝ている時には交感神経に変わって、副交感神経が優位に立ちます。副交感神経が優位にたつと、先のコルチゾールは分泌量が低下します。もしこれが睡眠不足などにより起きている時間が長くなったとしたら、コルチゾールはほとんどの時間分泌されるわけですから血糖はどんどんあがってしまうということになりかねません。

もちろんコルチゾール以外でも起きている時と寝ている時では体の内部では異なった働きをしていますから、そのバランスが崩れることで、様々な不調が起こってくる可能性があります。

しっかりと快眠するためにはどのようなことに気をつけたらいいでしょうか。それはまずはしっかりと起きることから始まります。

人間の体内時計は24時間を少々オーバーしているといいます。ですからもしそのまま生活を続ければ1日の生活時間はどんどんとずれていってしまうことになります。眠る時間も毎日少しずつ遅くなってしまうことになりますね。しかしそんな事態にならないのは、人間が朝日を浴びることで体内時計をリセットすることが出来るからです。ですから、朝起きたら朝日をしっかりと浴びて、1日のはじまりを体に意識させましょう。

そして夜です。夜は、寝る直前の飲食は避けましょう。というのは、食事をすれば当然その食物は消化吸収されます。しかし寝る直前に食事をした場合、本来は寝ている間行わない消化吸収の働きを体はしなくてはならないことになります。それでは寝ている時間の本来の体の働きのバランスが崩れてしまいますし、また休息できるはずの時間に消化器官が休めないことになってしまいます。働きづめでは不調が出てきても致し方ないと思いませんか。

快眠を意識しての生活スタイルは、とにかく朝から昼にしっかりと活動して（無茶に運動するという意味ではないです）、夜は睡眠に向けて休息の準備をするという流れになります。

その中で、自分の生活スタイルに合わせて、リズムを整えていくのが無理なく続けられることにとつながるのではないかと思います。

昨今では、生活リズムの乱れやストレスの増大などにより、睡眠障害に陥ってしまう方が増加しています。

そこで様々な快眠グッズも登場しています。枕や照明、音楽や香りなど、眠りにいざないやすくするグッズを用いることで、睡眠障害に陥らないようにすることができるかもしれませんね。

それにそのような状況になくとも、眠るというのは気持ちのいいことですから、それをより気持ちよくする為のグッズであれば是非利用してみたいものです。

快眠グッズで真っ先に上げられるものとしてはやはり寝具。中でも枕なのではないでしょうか。自分の体にあった枕を利用することで体への負担が少なくより深く休息することができるというわけです。枕は頭の下に敷く枕もそうですが、抱き枕や足枕なども多く販売されておりますので、人気の枕...というよりは、自分の体や寝方にあった枕を探すことが一番なのではないかと思います。

そして、より眠りを深くする寝具だけでなく、眠りやすくするグッズとして、穏やかな明りによりリラックスしたムードを演出し、体を休息モードへと、つまり副交感神経を優位に導く照明や、同様に、リラックスした気持ちを演出する音楽、香りなど本当に様々なグッズがあります。

音楽や香りは、もちろんそれなりの根拠や実験などでリラックス効果を実証しているものではありますが、一番重要なのは自分がリラックスできるかどうかです。多くの人がリラックスできるものが自分もできるとは限りません。ですから、自分だけのリラックスグッズをみつけようという気持ちで快眠グッズを選ばれるのがいい睡眠へとつながるのではないかと思います。